Athlete Social Responsibilityを考える

アスリートの社会的責任

ドーピング問題からアスリートを守る

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ロシアのドーピング問題が世間をにぎわしています。

NHKクローズアップ現代ではすでに1月にこの問題について放送されています。

ドーピングショック ~組織ぐるみの不正はなぜ~ - NHK クローズアップ現代+

ロシア全選手がドーピングで五輪出場停止へ

 

今回ドーピング問題は個人ではなく国を挙げての不正があったということが最大の焦点じゃないでしょうか。ロシアには以前からドーピングに対して「見つからなければいい」というような風潮があったように思われます。

それはソ連時代からスポーツ大国としての威信を維持したかったのでしょうか?

選手も成績を上げるためにはドーピングは当然と受け入れていたのでしょうか?

国の威信のため、コーチとしての実績のため、選手は輝かしい成績による今後の豊かな生活を獲得するための利害が一致したら、ドーピングは目的をかなえるための必然的な行為だったのではないでしょうか。ただし、この行為を強要された選手はどんな思いで競技生活を送っていたのでしょう。きっと、この記録は自分本来のものではないと悩んだり、見つかった時のことを考えれば選手生命が絶たれるだけにとどまらず、人として胸を張って生きていけなくなることに怯えていたはずです。しかし、公平な競技を行う上でいかなる理由があろうとドーピングはやってはいけない行為ですよね。

 

しかし、一番の問題はとばっちりを受けたドーピングに関わっていないクリーンなアスリート。彼らたちのオリンピック参加が怪しくなってきています。

スポーツ界によくある連帯責任ってやつですね。

個人的には、出場させてあげたいですが、IOCがどんな判断をするのか注目です。

しかし、国ぐるみでの不正を行っていることが広まっている状態で、クリーンなアスリートであることを証明しようとして、第三者機関を通して証明してもらうのが一番いいと思いますが、しっかりとした情報開示や仕組みができていないとこれも難しいですよね。

 

さて、ここでアスリートにおける主なリスクを考えてみると、

ケガや病気、犯罪行為、言動、風評、反社会的勢力との関わり、ドーピングを含めた薬物の摂取、所属チームの不祥事などがあげられ、これらのリスクに対してどうやって対処していくのかを日ごろから考え取り組むことがトップアスリートになればなるほど重要だと考えます。

国内のスポーツ界では薬物やギャンブルの問題があったことでコンプライアンスの順守の講座が開かれていますが、実情はどうなのでしょうか?聞いただけで終わり?あとは自己責任で・・・何てことにはならないと思いますが、4年後の東京オリンピックに向けて、アスリートのリスク対策をチームや団体で取組み、情報開示やリスクの理解をはじめ、アスリートを守る仕組み作りをしていくことが、オリンピックアジェンダ2020のひとつの側面としても必要不可欠なことだと思います。